トゥターエフ (Tutayev)
州都ヤロスラヴリの40km北西にある. ダニロフ丘陵の西側に位置し、北西から南東へ向かって流れるヴォルガ川の両岸に町が広がっている.
1918年以前、トゥターエフは「ロマノフ=ボリソグレブスク」(Рома́нов-Борисогле́бск)と称した. 1822年にツァーリの勅令で一つの町となる前は、ヴォルガ川右岸のロマノフと左岸のボリソグレブスクは別々の町であった.
ロマノフはヤロスラヴリ公ロマン・ヴァシリエヴィチにより1370年頃に建設され、公の名を採りロマノフと名づけられたと伝えられる(1283年にウグリチ公ロマン・ウラディミロヴィチにより建設されたという異説もある). 15世紀にはノガイ・オルダの支配下にあったロマノフは1491年にモスクワ大公国に編入された. 一方、ボリソグレブスクは15世紀末に記録に初出し、当時はモスクワ大公国支配下の漁村であったことが分かる. ボリソグレブスクとは、聖ボリスとグレブに由来する.
1777年に両岸の町はそれぞれ市として認められ、1822年に合併した. 20世紀初頭までは羊の飼育と羊毛作りを行う町だった. ロシア革命後の1918年、ヤロスラヴリ蜂起で戦死した赤軍兵士イヴァン・トゥターエフ(1899年 - 1918年)にちなんでトゥターエフと改名された.